現在の過剰流動性バブルを過去のバブルの歴史から考える

「今はバブルだと思うんだけど、

このバブルいつまで続くと思う?」

 

先日お話させていただいた社長の言葉です。

 

アメリカのナスダックは最高値を更新。

新型コロナウィルスの感染拡大が続く中、

大幅な金融緩和が継続されています。

 

現在は、「過剰流動性相場」といって、

大幅な金融緩和によって市場にある通貨(流動性)の量が

正常な経済活動に必要な水準を大きく上回る状態が継続することによって

生まれる相場となっています。

 

シンプルに言うと、世界各国がお金をバンバン刷って、

金余りが起こっていて、

行き場のないお金が金融市場、不動産、商品などに

流れ込んでいます。

 

実体経済は落ち込んでいるけれど、

株をはじめ、商品、不動産価格は上がっています。

 

さらに、現在は「ウッドショック」と言われる

木材価格の著しい上昇も話題となっています。

 

コロナにより、お家時間が増えたこともあり、

住居を見直す人が増えたことによる、需要増が影響しています。

 

建設業のお客様が木材価格の仕入れ価格の高騰に頭を悩ませていました。

 

現在はこの過剰流動性相場がもたらす

「過剰流動性バブル」が起こっていると言われています。

 

それでは、このバブルはいつまで続くのでしょうか?

 

この答えは誰にもわかりません。

未来は誰にも100%正確に予測することはできません。

 

私たちにできることは、

過去から学び、現在そして未来に活かしていくことだけです。

 

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

 

これはドイツの宰相のビスマルクの言葉です。

 

過去のバブルの歴史を学ぶことで、

現在のバブルをひもとくヒントがあるかもしれません。

 

そこで、過去のバブルの歴史をいくつか振り返ってみましょう。

チューリップバブル

最古の金融バブルと言われているのが、

1636年〜1637年にかけての「チューリップバブル」です。

 

チューリップの球根1つの価格(先物価格)が

熟練した職人の年収の15倍!ほどの価格まで上昇しました。

 

そこから1ヵ月程で1/10になり、

最終的にはバブル前の価格まで下落しました。

ウォール街大暴落(世界恐慌)

1929年10月にアメリカの株価が急落したことに端を発し、

世界的な経済恐慌に陥ります。

 

長期的に下げ1932年7月には最高値からなんと89%も下落!

株価がもとの水準に戻るまで33年もかかりました。

ブラックマンデー

1987年10月19日、1日でNYダウが22.9%も下落。

日本市場でも14.9%の下落。

東証一部の半数がストップ安になりました。

 

この時は、継続下落とはならずに

1年10ヶ月で元の価格まで復活しました。

日本のバブル崩壊

日経平均株価の1989年12月29日の最高値:38,957円から

翌年10月1日には2万円割れまで下落。

9ヶ月で半分になりました。

ITバブル(インターネットバブル)崩壊

2000年3月からIT企業が多数上場していた

米ナスダックの株価が下がり始め、

2003年まで下がり続けました。

 

日本でも光通信の連日ストップ安など、

高値から1/700まで下落した銘柄もありました。

ほとんど紙くず同然になってしまいました。

リーマンショック

13年経ちますが、まだ比較的記憶に新しい方も多いのではないでしょうか?

リーマンショック前後のダウ平均株価の動きを見ると、

メリルリンチがサブプライム関連損失を公表した辺りの高値ピークから、

1年半かけて54%も下落しました。

 

株価の動きを見ると、リーマン・ブラザーズが経営破綻する前から、

株価は下がり続け、破綻により、大きな下落が加速しました。

 

2009年から量的緩和が始まり、

今日までの大きな上昇トレンドが始まりました。

過去のバブルから学ぶべきこと

これまで人類の歴史においては、

何度もバブルを繰り返してきたことがわかります。

 

マイナス金利、金余りにより、

運用先、行き場のなくなったお金が金融市場に向かう。

 

そして、金融業界のグリード(強欲)、金融工学の発達により、

実体経済よりはるかに大きな天文学的な金額の運用が

なされている。

 

しかし、変わらない本質は、

「バブルは人間が起こしている」

ということです。

 

時代が変わっても、

人間の本質が変わらない以上、同じ過ちを犯します。

 

つまり、

今回の過剰流動性バブルもどこかで必ず崩壊をします。

「自分だけは逃げ切れる!」と思っても、無理です。

 

金余りで流れている投資マネーが逆流した時には、

あっという間に時価総額が下がり、資産を失ってしまいます。

 

私たちは、過去の歴史を学び、

世界経済にアンテナを掲げ、経済指標を読み解き、

リスクを分析しなければいけません。

 

世界全体で借金が増えています。

1999年には100兆ドルなかった債務残高が、

2021年には289兆ドル(3.2京円)まで、

わずか20年ちょっとで2.8倍まで拡大をしています。

 

仮に実質的な金利が1%上昇したら、

320兆円の利息負担が毎年発生します。

ちなみに現在の日本の国家予算が107兆円です。

 

投資の神様と言われるウォーレン・バフェットの名言。

 

「リスクはあなたが何をやっているか理解していない時に起こる」

 

しっかりと歴史を学び、情報を徹底入手し、アンテナを張っておくことが

何よりも重要です。

金融資産アドバイザーに相談