資産運用の本を読むと、
「目標金額を決めましょう!」
と書かれていることが多いです。
しかし、中長期的に資産運用で成功するためには、
目標金額を決めるだけでは不十分なのです。
目標を決めると同時に決めておかなければいけないこと。
多くの人が見逃しがちなポイントがあります。
これについて本日はお話をします。
目標金額は決めたけれど、
なかなか達成できないと悩まれている方は多いです。
そのような方に
「何のために資産運用をしているのですか?」
と質問をすると・・・
「銀行に預けていても増えないし、何かやらなきゃと思って」
「将来に向けて資産を増やしておきたいから」
「周りの人がやっているから自分も少しやっておこうかなと」
このように答える方が多いのです。
なかにはしっかりと目標金額も決めていて、
60歳の時に1億円と明確に定められている方もいます。
しかし、ここでもう少し踏み込んでほしいのです。
「何のために?」という資産運用の「目的」を
深掘りしてみてほしいのです。
これは人によって様々ですよね。
・自分が退職する時に、将来の生活費として◯◯円確保しておきたい!
・子供にしっかりとした教育を受けてもらいたいから◯◯円準備したい!
・両親の将来の介護に備えておきたい!
・奥様とゆっくり世界を旅したい!
・仕事をしている時はできなかった趣味にトライしてみたい!
やりたいことをいろいろと書き出してみてほしいのです。
ポイントは最初の段階では、
予算に制限をつけないで考えることです。
この「目的」が明確になっていればいるほど、
資産運用を継続でき、成果につながりやすいです。
資産運用に限らない話かもしれませんが、
「継続は力なり」です。
「継続」こそが一番難しいかもしれません。
前回のコラムでも、人間の「感情」が邪魔をして、
資産運用で失敗してしまうことが多いことをお伝えしました。
資産運用を継続させるためにはポイントが2つあります。
①資産運用の目的を明確にする
②しくみを利用する
順番に解説していきます。
人生を築く上で、「目的」を中心に据えることの重要性は、
多くの方が言っています。
TEDで5,600万回以上も再生されているサイモン・シネックは、
動画の中で「ゴールデンサークル」という考えを紹介しています。
卓越した企業や個人は、
「何をやるか?」よりも
「なぜやるか?」を中心に据えていると言われています。
例えば、Appleの例で見てみましょう。
・なぜ・・・我々が行うことはすべて、現状維持への挑戦であると信じている。
・どのように・・・我々の商品を、美しくデザインされ、ユーザーが使いやすいものに作り上げることで。
・何を・・・我々は、結果として素晴らしいコンピューターを作っています。
Why(なぜ)=目的が明確であればあるほど、
ビジネスも投資も成功しやすいと言われています。
それゆえに、
あなたが資産運用をおこなうWhyについて
しっかりと考えてみてほしいのです。
前回のコラムで、
「感情をコントロールすること」
が投資を成功させる上で大切だとお伝えしました。
でもこれって言うは易し、行うは難しでなかなか大変。
人間は生きていると、
仕事でイヤなことがあったり、
人間関係で悩んだり、
思いもよらない不快なことが起こったりするものです。
その時に感情をぶらさないでいるってなかなか難しかったりします。
だからこそ、感情をコントロールしようとするよりも、
「しくみ」を使ってしまう方が確実です。
資産運用においてもっとも有名なしくみは、
「天引き貯金」です。
あまりに有名すぎるのですが、
これは効果は抜群です。
本多静六さんという方はご存知ですか?
この方は、大学の教授だったのですが、
若い頃から「四分の一貯金」を始め、堅実に資産を増やしていき、
40代にして100億円(現在の貨幣価値に換算)の資産を築かれた方です。
そして、大学を辞める時に全額を寄付されたというすごい方です。
本多静六さんの著書『私の財産告白』は名著なので、
よろしければ読んでみてくださいね。
人間の意思はあてにならないものです。
三日坊主って言葉があるくらいですからね。
だからこそ、うまく「強制力」を使う。
これが中長期的に資産形成を成功させるポイントです。
ぜひ、あなたの資産運用の「目的」を明確にして、
継続するためのしくみづくりをやっていきましょう。